晩婚化や女性の社会進出が進み、今では35歳を過ぎて初産ということは珍しくありません。しかし、妊娠の可能性を統計的にみた場合、35歳以上の妊娠力は著しく低下します
(参照「《年齢別妊娠確率まとめ》妊娠率・受精率・着床率・流産率」)。
リスクを回避するためには、30代からの妊活がカギ。妊娠力を上げるポイントをご紹介しましょう。
女性の年齢と妊娠の関係
日本産婦人科学会の定義によれば、高齢出産は35歳からの初産を指します。このような定義がされている理由として、ひとつは流産や先天性異常の発生リスクが高くなることへの啓蒙があります。
また、妊娠そのものが難しくなることも理由のひとつ。年齢とともに、老化が進む卵巣や卵子。女性の妊娠は「卵巣年齢」が大きく影響していると考えられています。
卵子の数は生まれたときから決まっている?
卵子の元になる原始卵胞は産まれたときから卵巣にあり、その後増えることはないということはご存じですか?
個人差はありますが、その数およそ200万個といわれています。そのほとんどは成熟しないまま自然に消え、初潮を迎えるころには30~20万個にまで減少。その後は月経の有無に関係なく、1周期に1,000個ほどの原始卵胞が減り続けます。
このようなことから、30歳を過ぎたら早めの妊活をすることが重要視されるようになりました。
妊娠力を上げる生活習慣
卵巣や卵子の老化を避けるのは難しいことですが、生活習慣を見直すことでそのスピードを緩めることはできるといわれています。以下に心当たりがある人は、悪しき習慣を見直すことから始めてみましょう。
・喫煙をしない
タバコは百害あって一利なし。喫煙は妊娠に必須な女性ホルモンの分泌量を減らすだけではなく、母体となる体全体にも悪影響を及ぼします。
また、男性が喫煙することで精子にダメージを与えるともいわれています。妊娠力を上げるためには、パートナーと一緒に禁煙をしましょう。
・ストレスを溜めない
過度なストレスは女性ホルモンの分泌を妨げるといわれています。とはいえ、ストレス社会の現代において、ストレスフリーで生きることは難しいこと。上手に付き合うことを意識してみましょう。
ゆっくりお風呂につかる、好きな音楽を聴いたり、映画を見たりするのもおすすめです。アロマを使ったマッサージもリラックスをもたらすでしょう。
・体を冷やさない
冷えは万病の元といわれるように、女性にとって冷えは大敵です。体が冷えると血のめぐりが悪くなり、卵巣の機能が低下するといわれています。
冷え防止には靴下や下着など外側からの対策と、食べ物による内側からのアプローチが有効です。
妊娠力を高めるあったかレシピ
卵子の質を高めるためには、体を保温することがよいといわれています。体を冷やさない食べ物を積極的に摂ると同時に、食品添加物や残留農薬が多い野菜などはできるだけ避けましょう。
根菜スープで冷えを予防 ゴボウとニンジンの豆乳スープ
一般的に土のなかで育つ根菜は、体を温めるといわれています。野菜は気温が下がってくると寒さから身を守ろうとする作用が働き、うま味と甘味が増します。根菜の多くは冬に旬を迎えますが、スーパーで1年中手軽に買うことができるのも魅力。いろいろな料理にアレンジをして積極的に摂りましょう。
材料(2人分)
- ゴボウ 1/2本
- ニンジン 1/2本
- ひよこ豆(水煮) 30g
- ショウガ 1片
- オリーブオイル 大さじ1
- チキンスープ 2カップ
- 豆乳 1カップ
- バター 大さじ1
- 塩・コショウ 少々
作り方
1.ゴボウ、ニンジン、ショウガをそれぞれみじん切りにする。
2.鍋にオリーブオイルを熱し、ショウガを炒める。香りが立ってきたら1の野菜を加え、炒め合わせる。
3.2にひよこ豆、チキンスープを入れ、野菜が柔らかくなるまで中火で煮込む。
4.1度火を止めたら豆乳を加え、沸騰直前で火を止める。
5.バターを入れ、塩・コショウで味を整えてでき上がり。
大豆には、女性ホルモンとよく似た働きを持つ大豆イソフラボンが含まれています。ショウガを加えることで保温効果がアップし、体のなかからほっこり温まることができますよ。
特に夏は、ついキンキンに冷えた飲み物を多く摂りがち。冷房による冷えの影響も考え、温かい飲み物や食べ物で冷えを予防しましょう。
妊活は、自分の体をいたわること
妊娠の可能性は単純に原始卵胞の数で決まるわけではありませんが、原始卵胞は年齢を重ねるにつれ確実に減少します。30歳を過ぎたら、やがて産まれてくる赤ちゃんのために、まずは食生活や生活習慣から見直してみませんか?